神に捧げるバラッド
若き頃、信じる者しか救わない偶像崇拝など毛嫌いし、己のみを信じて走り続けていた。
しかし、現在は少しずつ心境が変わりつつある。
日本古来より数多くの業種に神が存在し、神棚に手を合わせて商売繁盛を祈る形式は現在も変わらない。
釣りで言うならば、釣竿と鯛を抱えてにこやかな御顔立ちの『恵比寿様』がそれにあたる。
商売繁盛、大漁満足、五穀豊穣、航海安全、開運招福、学業成就、歌舞音曲など人々の生活に様々な御利益をもたらす福の神として珍重されている。
さて、この恵比寿様は誰なのか?元を辿ると様々な言い伝えが有る中、古事記に出てくる日本神話で中心的な役割をする天照大御神(アマテラスオオミカミ)や素戔嗚尊(スサノオノミコト)をお産みになる、伊弉諾(イザナギノミコト)と伊邪那美(イザナミノミコト)の間に生まれるヒルコ神(恵比寿様)である。
ヒルコ神は、古事記では一番最初に生まれる子として描かれる。
しかし、ヒルコ神は伊弉諾と伊邪那美の婚約の際の失敗によって、体の不自由な姿で生まれる不具の子として誕生します。
伊弉諾と伊邪那美はこの子を天磐樟船(アマノイワクス船)という船に乗せて海に流してしまう。
この船で流されたヒルコ神が鳴尾浜という兵庫県西宮市の浜から神戸の沖合に流れ着き、西宮神社のご祭神となり、えびす信仰と習合して私たちの知る恵比寿様の由来というのが一つ説である。
恵比寿様を描く全てが片足を立てているのは、体の不自由を表現している。
その昔海岸に流れ着く漂流物を『えびす』と呼び、神聖なものや神様と考え、そう呼んでいた。
また、「えびす」は別の漢字表記で「夷」と書くが、これは蝦夷(えみし/えぞ)などに使われ、外界や異国を意味する言葉でもあるようだ。
我々が育った蝦夷地にも大きく繋がりがあるのでは?と深々と考えさせられる。
安全に釣行でき、良き釣果をもたらしてくれたその地の神々に、感謝の念を忘れること無く、祈りを捧げるよう心掛けている。
2019年 3月21日発行 釧路新聞「釣り日和」より
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